2016-02-15
須田桃子記者の『捏造の科学者』を読み進んでいる。第4章のあたりを読んでいるが、これによれば小保方晴子さんはかなり優秀な研究者であり、人一倍の努力家であることが分かる。そんな彼女がなぜ捏造に手を染めてしまったのか、あるいは、少なくとも捏造という汚名を着せられることになったのか。須田記者もこのあたり不思議だと感じているようだ。
今日読んだ段階ではそのことまでは触れてない。現在まで分かったことは、生命科学の論文は大掛かりで何人ものチームプレイで膨大な実験を繰り返して次第に結論が見えてくるものであることが分かった。小保方さんがすべてを牛耳って主導したということでもないようだ。
STAP細胞の考えは、バカンティ氏のアイデアが基本になったそうだ。動物の体細胞から初期化できるというアイデアを関係者がいろいろと深めていった。小保方さんが、ガラス管を通すという操作、つまりあるストレスを体細胞に与えると、胞子様細胞が出てくることを発見した。そこから発展して、体細胞を弱酸性溶液に浸すと、最も効率よくSTAP細胞が見つかることを発見した。
などと技術的なことが書いてあり、ゆっくりでなければ読み進むことはできない。
ところで、アマゾンで、『捏造の科学者』のレビューを読むと、かなり辛口のレビューが目立つ。須田記者を「捏造の新聞記者」とする評価も結構ある。これは最近、『あの日』が発売されたのであり、その本の中では、若山照彦教授とこの須田桃子記者がかなり悪口が書かれている。その影響で、アマゾンのレビューもかなり辛くなったようだ。
現在までに自分が理解しのは、STAP細胞の作製に成功したといっても、その「作成」という概念に科学者間で相違があるようだ。各研究者間でのチームワークで行う仕事の場合、互いの誤解もあって、全体的な整合性を整えるのも難しいという点だ。
とにかく、小保方さんがけっして捏造するつもりではなかったのだが、いつの間にやら捏造したということになった、と自分は今のところ、そのような印象を持っている。そうなってしまった経緯は何故か。大きな組織ではこのようなことは頻繁に起こりうるのか。誤解と曲解がどうして生じたのか。このあたりもう少し読むと見えてくるのかなと思っている。