ネットでSTAP細胞騒動を読んでみる。
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2016-02-16

『捏造の科学者』を読み続けている。同時にネットでのこの騒動を総括したようなサイトも見ている。なぜこんなに騒ぎになったのか多くの人々がその答えを探しているようだ。その回答の一つとして、小保方さんという若くて魅力的な女性が中心にいたことがあげられる。

発表者が中年のくたびれた顔をした男性だったならば、さほど注目を浴びずに、それゆえに捏造疑惑が生じても、世間は「そうか」という簡単な反応であったろう。ところが、若くて美しい女性であるがゆえに、大騒ぎとなる。例によって、マスコミは大好きな下ネタ路線に走り出す。

例えば、2014年3月19日発売の『週刊文春』では、「小保方晴子さん 乱倫な研究室」と刺激的なタイトルを付けた記事を発表して、笹井芳樹教授と小保方さんの間に何か関係があるかのように書き立てた。純粋に学術的な視点から検証されるべき事件が、このような外野によって混乱させられて、検証どころでなくなってしまった。

さて、自分がいまこれまでに読んで興味深いと感じたことは次のことである。

  • (1)生命科学の再現実験はかなり難しいものであり、ノーベル賞の山中伸弥教授のiPS細胞でさえも、再現できるようになるまでに1年半ほどかかったそうだ。理研が命じたSTAP細胞の再現の実験など、あの大騒ぎの中では不可能であった。
  • (2)STAP細胞を作り出すことは、理論的な裏付けだけでなくて、実験を行うかなり泥臭いノウハウが必要であること、そのノウハウを知っていたのは若山忠彦教授だけであったこと。
  • (3)画像のコピペや実験データを恣意的にずらすことは生命科学の分野ではかなり行われていること、その一例として、調査委員会の委員長の石井俊輔氏の「乳がんを抑制するタンパク質に関する論文」2本でも、画像の使いまわし・捏造の疑惑が生じて、委員長を辞任したことがあげられる。

生命科学という日進月歩の学問分野であり、学者たちがしのぎを削りあっていること、一秒でも他人に先んじて成果を発表したいと考えていること、生命という事象に対して検証実験が難しいこと、とくに再現性については、一つ一つ個性の異なる生物体を相手にするのであるから、同じような反応が得られるものではないこと、などが分かった。

しかし、どうしてこうなったのだ。とにかく捏造ではなかったと自分は思う。膨大な画像を処理して、その中での画像の取り違えはあるだろう。若干のコピペはあったであろう。しかし、何かがおかしくなってしまった。

メンバーの人の緊密な協力で行っていく共同作業であるので、仲間割れが始まったならば、再現などは難しいのではないか。理研が小保方さんに命じた再現実験は当初から失敗が運命づけられていた実験であることが分かった。

とにかく、この事件、現在、須田桃子記者の『捏造の科学者』を読み続けている。分からないことはネットで調べながら読み進んでいる。とても勉強になる。今週中に読み終わることができればと願う。

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