森山加代子が大腸ガンで亡くなった。今年の2月に大腸ガンでステージ4と診断されてから一ヶ月ほどで亡くなった。享年78である。ガンと診断されてから亡くなるまで、随分と早いが、それは本人が我慢して医者に行かなかったからだろうか。

森山加代子は『月影のナポリ』でデビューしている。有名なのは、『白い蝶のサンバ』である。YouTubeにも動画がいくつか挙げられている。その中から一つを選ぶ。

改めて動画を見ると、その当時のことが思い出される。華やかな歌で、恋に落ちた女性を蜘蛛糸に絡まった蝶にたとえている。歌詞が斬新で印象に残った。

ところで、このニュースを聞いたときに、自分はしばらく森山良子と間違えた。てっきり森山良子がなくなったのかと思った。名前が似ているし、年頃も同じだろう(森山良子は71歳)。

私の高校時代に、文化祭か何かで、森山良子が呼ばれて歌を何曲か披露していた。有名人をこの目で見たのは彼女が初めてだ。彼女は反戦歌が多くて、政治的なメッセージを伝える歌手であった。一方の、森山加代子は、もっぱら恋の歌を歌うことが多い。

森山加代子と森山良子の二人の歌のスタイルは異なるが、私にとっては青春時代を思い起こさせる歌手たちである。自分と同時代の歌手たちが、若さと美しさを誇った人たちが一人一人消えてゆく。とにかく、寂しいことだが、これが世のならいなのだ。